裏面照射型2610万画素、ローパスレス X-Trans CMOS 4、画像処理エンジン X-Processor 4、5軸ボディ内手ブレ補正機能などの機能を搭載したXシリーズではミッドレンジモデルとなる APS-C ミラーレス一眼『X-S10』の情報を更新。
FUJIFILM X-S10 は、今までラインナップになかった隙間をうめる新製品。「X-T4 は高いけど X-T30 より高性能なモデルが欲しい」といったハイアマチュアユーザーへ向けています。
Fuji X-S10 : Spec
どんなカメラか?
- 製品のポイント
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- Xシリーズの中でも中級機に位置づけ
- 小型軽量ボディに握りやすい大きなグリップ
- 最大6段分のブレを補正するボディ内手ブレ補正機構
- 動画ともに上位機種のX-T4に迫る高性能
軽量465gの小型ボディ
FUJIFILM X-S10 は、上位モデル X-T4、下位モデル X-T30 の間におさまるミッドレンジモデル。そのコンセプトは、大きさ重量にも表れており中間的な数値です。
X-T4 | X-S10 | X-T30 | |
---|---|---|---|
筐体サイズ | 134.6×92.8×63.8 mm | 126×85.1×65.4 mm | 118.4×82.8×46.8 mm |
重量 | 526 g | 415 g | 333 g |
X-S10 は、上位モデル X-T4 同等のイメージセンサーと画像エンジンを採用。さらに『ボディ内手ブレ補正機構』を搭載しつつも、マグネシウム合金フレーム採用で約465g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)の超軽量ボディを実現。
小型軽量ボディはイベントや旅行といった、長時間の持ち運びが楽になるうえ、さまざまなバッグに収納しやすくメリットがあります。
深くてシッカリしたグリップ
カスタム設定可能なトップダイヤル
Vlog 自撮り対応バリアングル画面
おもな機能
ボディ内手ブレ補正機構
フォーカス
FUJIFILM X シリーズ初登場の頃は、ピント精度は高いものの、フォーカススピードが速くはありませんでし。しかし、X-S10 では最速0.02秒の高速AFへと進化。
また、動体を追従するトラッキング AF や、人物の顔をしっかりと捉える顔検出/瞳 AF 機能に対応。連写時や動画撮影時にもピント追従可能なので、なれないユーザーでも撮影しやすくなっています。さらに、ファインダーを覗かない Vlog ユーザーでも自動で顔にピントが合うので便利。
高感度撮影でもノイズの少ない写真が撮れる X-S10 では、暗闇に近い〈-7.0 EV〉の低照度環境下でも高速・高精度なAFを実現。夜景撮影など光量の少ない場合でも、被写体を正確にとらえます。
サイレント撮影
ただ、電子シャッターにもデメリットがあって『動くものを撮ると歪む』『光源が蛍光灯だとムラ(フリッカー)が発生する』という2点に注意すれば連写との併用も可能なので、シャッターチャンスを逃しません。
連写性能
なお、秒間の連写枚数はメカニカルシャッターで最高約8コマ/秒、電子シャッター使用時では最速約30コマ/秒に対応。
動画撮影
近年の冨士フイルムは、ミラーレスカメラの動画記録に力を入れており、新機種ごとにパフォーマンスが向上。
4K 動画記録
6K 相当の高画質データから 4K 映像を生成し、ノイズの少ない高精細な映像を実現。また、4K/30P 4:2:0 8bitでのカメラ内 SD カード記録が可能。HDMI出力では、より多くの色情報を記録できる4K/30P 4:2:2 10bitに対応。
ハイスピード動画撮影
フルHD/240Pのハイスピード動画撮影が可能。素早く動く被写体の一瞬のアクションも、最大10倍のスローモーション映像で再生することが可能。
電子式手ブレ補正
ボディ内手ブレ補正機能に加え、動画撮影時に使用できる電子式手ブレ補正を搭載。手ブレに合わせてフレーミングを微調整することで、手持撮影時に生じるブレを徹底的に抑制します。
動画撮影ボタン
ボディ天面に配置した『動画撮影ボタン』を押すことで、瞬時に動画撮影が開始。写真撮影中に『動画撮影ボタン』により動画撮影をスタートしたばあい、自動で最適な撮影設定を適用します。
ファインダー
有機 EL のファインダーは輝度が高く、コントラスト比も広く、とても見やすい。解像度も高いため MF でピント面を合わせやすい。また、ブースト時には最大100fpsにビューファインダーのフレームレートがあたるため、高速に動く被写体も追いやすい。
フィルムシミュレーション
冨士フイルムのデジタルカメラで注目されているのがフィルムの色合いを再現する『フィルムシミュレーション』機能。最新モデル X-S10 には、18種類のネガ・ポジフィルムを再現した質感・発色で撮影できます。
調整パラメーター
フィルムシミュレーション機能は進化しており、最近のバージョンでは複数のパラメーターを自在に調整可能で、ユーザーが新たに設定できるようになっています。
AUTO / SP
AUTO / SPでの撮影時も多彩なフィルムシミュレーションを選択できます。設定の変更が間に合わないような状況でカメラのAUTO機能に頼りたい時も好みのフィルムシミュレーションで瞬間を切り取りが可能。
AUTO画質改善
AUTO / SP撮影時の画質が最新技術でさらに向上。風景はより明瞭で鮮やかに、ポートレートは背景の青空や自然を際立たせながら人も美しく、逆光シーンも白飛び黒潰れしにくいなど、あらゆるシーンでより美しく印象的な写真がカメラのAUTO機能で撮影できます。
カスタマイズ機能
C1-C4ポジション
天面のモードダイヤルに[C1]〜[C4]のカスタムポジションを配置。これはユーザーが多用する設定(連写モード・フォーカスモード・シャッターモード)をあらかじめ登録。必要な撮影シーンの時にモードダイヤルによって即呼び出せます。
Qメニュー
素早く設定変更が可能な『Q(クリック)メニュー』ボタンは、X-S10 のシャッター・録画スタートボタンのそば。
設定メニューを最大16個まで表示できユーザーの必要に応じて、4/8/12/16個表示の4パターンが選択可能。おもな設定項目は、画質・顔検出/瞳AF設定・感度設定・ダイナミックレンジ調整・フィルムシミュレーション設定など。
Fn 設定
今や Fn(ファンクション)設定は多くのデジカメ製品に採用されている機能。
FUJIFILM X シリーズ初期の頃は、この設定が少なくて結構『Qメニュー』を操作することが多かったのですが、X-S10 では多くのボタンとダイヤルに任意設定が可能。とくに二つのダイヤルにユーザーが希望する機能設定ができる意味合いは大きい。
個人的には、露出補正機能をどこで操作できるように設定するか悩みどころ。
通信連携
スマートフォン連携
無料アプリ FUJIFILM Camera Remote をインストールしたスマートフォンやタブレットへ向けて撮影画像の転送が可能。
アプリ連携機能をいかして遠隔リモートでシャッターも切れます。リモート撮影機能は、長時間の風景・天体撮影でもシャッターを押した時のブレが発生しません。また、転送機能を併用すれば、撮影画像をタブレットで細かくチェックすることも可能です。
Bluetooth 連携
Bluetooth 機能を利用してカメラとスマートフォン・タブレットとペアリングしておけば撮影画像の転送予約や、カメラの新ファームウェアの通知からダウンロードも可能。
instaxプリンター連携
カメラから直接、または無料アプリ FUJIFILM Camera Remote を利用して『チェキ スマホプリンター instax』などのハンディプリンターへ画像情報を送信してプリントアウトが可能。
WEBCAM
パソコンに無償ソフトウェア FUJIFILM X Webcam をインストールし、カメラとUSBケーブルで接続すれば高画質ウェブカメラとして使用できます。ウェブカメラの画像には フィルムシミュレーションなどの色調表現が使用できるため、人物だけでなく美しい景色の動画配信も可能です。
ラインナップ価格
X-S10 の発売日は 2020年11月19日 。ボディカラーのバリエーションは『ブラック』の一色のみ。販売製品のラインナップは、ボディ単体、XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ が付属したレンズキット、 XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ と XC50-230mm F4.5-6.7 OIS II が付属したダブルズームレンズキット、 XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS が付属したレンズキットの販売となります。
製品名 | カラー | 参考価格(税別) |
---|---|---|
ボディ単体 FUJIFILM X-S10 |
ブラック | 12万円 |
レンズキット FUJIFILM X-S10 XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ |
13万円 | |
ダブルズームレンズキット FUJIFILM X-S10 XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ XC50-230mm F4.5-6.7 OIS II |
16万5,000円 | |
レンズキット FUJIFILM X-S10 XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS |
15万円 |
スペック比較
X-S10 | X-T4 | |
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発売日 | 2020年11月19日 | 2020年4月28日 |
センサー | 23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ) X-Trans CMOS 4センサー 原色フィルター採用 |
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ローパスレス | ○ | |
有効画素数 | 約2610万画素 | |
画像エンジン | X-Processor 4 | |
ボディ内手振れ補正 | 5軸・最大6.0段 | 5軸・最大6.5段 |
常用感度 | ISO160~12800 | |
拡張感度 | ISO80、100、125、25600、51200 | |
ファインダー | 0.39型 有機ELファインダー 約236万ドット(視野率約100%) |
0.5型 有機ELファインダー 約369万ドット(視野率約100%) |
EVF倍率 | 0.62 倍 | 0.75 倍 |
液晶モニター | 3.0型 約104万ドット バリアングル式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター |
3.0型 約162万ドット バリアングル式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター |
AF測距点 |
シングルポイントAF:EVF/LCD:13×9/25×17のエリア選択(フォーカス枠サイズ可変) ゾーンAF:13×9の117エリアより3×3/5×5/7×7選択 |
[シングルポイントAF] EVF/LCD:13×9/25×17のエリア選択(フォーカス枠サイズ可変) [ゾーンAF]13×9の117エリアより3×3/5×5/7×7選択 [ワイド/トラッキングAF]※AF-S: ワイド/AF-C: トラッキング [オール] |
シャッター最高速 | 電子:1/32000秒~15分 メカニカル:1/4000秒~15分 |
電子:1/32000秒~15分 メカニカル:1/8000秒~15分 |
連写最高速 | 約30コマ/秒(電子シャッター使用時) 約8コマ/秒(メカニカルシャッター使用時) |
約30コマ/秒(電子シャッター使用時) 約15コマ/秒(メカニカルシャッター使用時) |
記録メディア | SDカード SDHCカード SDXCカード |
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バッテリー | NP-W126S | NP-W235 |
撮影可能枚数 | 約325枚(ノーマルモード時) | 約600枚(エコノミーモード時) 約500枚(ノーマルモード時) |
動画撮影時間 | 顔検出OFF時[4K]約40分(29.97p時) [Full HD]約40分(59.94p時) |
顔検出OFF時[4K]約85分(29.97p時) [Full HD]約95分(59.94p時) |
動画解像度 フレームレート |
C4K(4096×2160)29.97p 4K(3840×2160)29.97p |
C4K(4096×2160)59.94p 4K(3840×2160)59.94p |
サイズ (W/H/D) |
126.0×85.1×65.4(mm) | 134.6×92.8×63.8(mm) |
重量 (電池/SD込) |
約465g | 約607g |