動画性能を特化した新型『X-H1』の話題が、FUJIFILMユーザーの間で盛り上がっていますが、今度は『X-T3』の発表に関する情報が上がってきました。
この情報では、X-T2 の後継機となる X-T3 が〈2018年9月〉に開催される『フォトキナ2018』でアナウンスされるとしています。
- ▼目次
- X-T3 噂スペック
- 26MP 積層型センサー
- 新型液晶モニターの搭載
- 新型バッテリーグリップ
- 高速連写 20fps 機能
- ゼブラ表示機能の追加
- AF性能の向上
- X-T3 仕様
- T3 / T2 / H1 スペック比較
X-T3 噂スペック
センサー・画像エンジン
新しい機能が搭載される X-T3 は、まずデジカメの重要なパーツでもあるイメージセンサーに大きな変更がおこなわれます。現在の噂では、画素数 30 mp(3000万)画素のローパスレスセンサーが搭載されると言われています。
また、新しいイメージセンサーに対応、さらなる高画質と連写の画像処理を追求するため、新型の X Processor PRO 画像エンジンを搭載する予定。
ボディ内蔵型手振れ補正機能
多くのユーザーが気になるのが、新型の X-T3 に「ボディ内蔵型の手振れ補正機能が搭載されるのか?」でしょう。
この機能は、2018年2月中旬に発表される『X-H1』に搭載される機能です。冨士フイルムの X シリーズ初の技術なので、冨士ユーザーはとても気になることなのですが、残念ながら X-T3 にボディ内蔵型手振れ補正機能は搭載されません。
なぜなら、X-T3 は X-T2 とボディ容量が大きく変わることがないようなので、手振れ補正機能デバイスを搭載するスペースがありません。また、販売価格と商品の位置づけ(差別化)のため今回は採用されないでしょう。
一時期開発されていた X-T2s の計画は、動画記録性能に優れた X-H1 に引き継がれたため、今度は写真性能に優れた X-T3 を準備するための開発プロジェクトへシフトしました。
画素数アップは、高感度撮影と画質との兼ね合いがあるでしょうから、24MP から 30MP と小幅なステップアップに留めているようです。
26MP 積層型センサー
最近海外から上がってきた情報によると、X-T3 に搭載されるイメージセンサーの解像度は 26 MP(2600万画素)になるそうで、これは間違いにようです。
ただし、搭載されるイメージセンサーは従来の[X-Trans CMOS III]とは別物の新設計センサーになるかもしれません。このセンサーは『SONY α 9』と同じテクノロジーで開発された『積層型センサー』ですが、実際に採用決定されるのかは現在のところ不明。
積層型センサーのメリットは、超高速でデータ読出しが可能になること。たとえば極めてハイスピードなAF測距や、撮影中のEVFブラックアウトが解消されたり、ローリングシャッター現象《※1》の低減などが可能になります。
《※1:動画記録中、速い動きの被写体を追いながらカメラを素早く左右に振ると、お皿にのったプリンを左右に振ったときのように画面全体が揺らぐ現象。》
まとめ:
X-T2 の後継機となる X-T3 は写真撮影に特化して性能をさらに強化します。スチル撮影をメインにしているプロやハイアマチュアユーザーが満足出来る仕様に仕立てるようです。
X-T3 の発表は〈2018年9月〉にドイツ ケルンで開催される『photokina(フォトキナ)』でアナウンスされます。
新型液晶モニターの搭載
先日、冨士フイルムから新しいミラーレスカメラ『X-T100』が発売されました。X-T100 は一眼レフデザインを採用した X-T シリーズの最廉価版モデルです。
ターゲットにしたのがエントリーユーザーであるため、Xシリーズでは初のセルフィー(自撮り)対応の『3方向チルト式液晶モニター』を採用したことです。この背面液晶モニターの機能については、今後新規のユーザーや他モデルユーザーの評価・要望待ちになっています。
気になるのが、2018年に発表・発売予定の『X-T3」が、どのタイプの背面液晶モニターを搭載してくるかです。
ハイエンドモデルを使用されるユーザーの中には、レンズとファインダーがカメラ筐体の同一線上にならぶよう背面液晶モニターにも同じ条件を求められることがあります。しかし、冨士フイルムの開発陣は、そういった条件を新開発の3ウェイチルトモニターで解決しています。
ただ、X-H1 や X-T2 はシリーズのハイグレードレンジのカメラであるため、このクラスのカメラで片手セルフィー撮影をすることをメーカーが検討するかは謎です。
この方式のデメリットは、背面液晶モニター左側に可動部分が必要な構造になるため、カメラ筐体の横幅を小さくできないことです。
今後ほかのモデルで採用される可能性があるとすれば、X-T20 の後継機 X-T30 でしょう。X-T100 に採用された自分撮りモニターが好評であれば搭載してくるのではないでしょうか。
新型バッテリーグリップ
FUJIFILM(冨士フイルム)が開発中の X-T3 は電源(バッテリー)部分がアップデートされる情報が上がっています。
X-T3 では新設計のバッテリーグリップがオプションとして販売されることが分かっています。おそらく X-T3 では、筐体グリップの形状の変更があるのでしょう。もしかしたら、シャッター周りのボタン・ダイヤルの追加・変更もありえます。
また X-T3 には、新型のバッテリーチャージャー[BC-W126S]が用意されることが分かっています。
冨士フイルムのミラーレスカメラは、現行モデルに新しいバッテリー[NP-W126S]を採用してバッテリー容量を強化していますが、X-T3 へ更に新型のバッテリーが採用されるのか現在のところ不明です。
高速連写 20fps 機能
2018年の発売をめざし現在開発が進められている『X-T3』の新しいスペック情報が上がっています。
噂されている新機能は高速連写に関するもので、連写モードを『CH』を選択すると〈20fps(秒間 20 コマ)〉の撮影が可能になるもよう。また、この連写機能はクロップモードによって更に高速化とされています。ちなみに、このクラスの高速連写を実現しているのは、積層型フルサイズイメージセンサーを搭載する SONY α 9(20コマ / 秒)があります。
現行モデルの『X-T2』の高速連写は、バッテリーグリップを装着したブースト状態で〈11コマ / 秒〉、電子シャッターを選択して〈14コマ / 秒〉です。
ゼブラ表示機能の追加
冨士フイルムが発表をめざしている X-T2 の後継機『X-T3』に『ゼブラ表示機能』が追加される可能性がでてきました。ゼブラ表示機能とは、写真画像の白トビ部分をゼブラ表示してくれる機能です。
ゼブラ表示機能は、撮影時の白トビ部分が分かりやすく表示されます。ただし、ゼブラ表示には高い画像処理を求められるため、より高速な画像処理エンジンが必要となります。
冨士フイルムのフラグシップ機になる『X-H1』にも搭載したかった機能ですが、ハードウェアの制約により機能を追加することができませんでした。
しかし、X-T3 へ採用される新開発の画像処理エンジンによってゼブラ表示機能を搭載できることになったようです。また、新しい画像処理エンジンによって動画撮影の性能も向上。また、動画撮影でもゼブラ表示機能を使用可能。以下のような動画記録スペックになっています。
- 動画記録:4K / 60 p
- ビット深度:10 bit
- ゼブラ表示機能
X-T3 に採用される機能をみると、動画記録の性能が X-H1 を超えています。画像処理エンジンはスチル撮影の画質にも影響するため、X-H1 との差は IBIS(ボディ内蔵式手振れ補正機能)になります。このあたりの差別化を今後どうするのか興味深いです。
AF性能の向上
前項目では新開発の画像処理エンジンの情報でしたが、次はオートフォーカス性能に関する情報です。
X-T3 のフォーカスシステムはさらなる改良をうけて、より精度の高い安定した撮影を可能にするもよう。
- センサー全域をカバーする像面位相差AF
- 顔認識・瞳認識の精度向上
- 425点の広範囲 AF 測距点。AF-Cでも利用可能
- 低照度被写体へのフォーカス精度の向上
X-T3 には〈秒間20コマ〉の高速連写機能が搭載されますが、そのハイスペックを活かせるフォーカスシステムも採用してきました。また、顔・瞳認識フォーカスから低照度被写体へのフォーカス精度向上も含まれており、あらゆるシーン撮影に対応できるカメラをリリースします。
これだけの性能が向上すると、X-T2 ユーザーもかなり気になるモデルになりそう。
予想される仕様・情報
- 予約開始日:2018年9月6日
- 発売は、2018年9月20日(日本国内発売日)
- 新開発、有効画素数〈約2610万画素〉裏面照射型[X-Trans CMOS 4(ローパスフィルターレス)]センサー
- EVF: 0.5型有機ELファインダー 約369万ドット 0.75倍
- 位相差画素数を現行比〈約4倍〉。像面位相差 AF エリアを画面全域(約100%)に拡大
- 低照度オートフォーカスの改善
- 新型の高速画像処理エンジン[X-Processor 4]搭載
- シャッターボタンを半押しした時から撮影を開始し、シャッターボタンを全押しすることで撮影画像が記録される『プリ撮影』機能を新搭載
- 連写:約11コマ/秒(メカシャッター)、約30コマ/秒(電子シャッター、1.25倍クロップ)
- IBIS(ボディ内蔵手ブレ補正)は搭載されない
- 背面液晶:3.0型 約104万ドット 3方向チルト式 タッチパネル液晶
- 4K/60p 4:2:0 10 bitのカメラ内 SD カード記録に対応。4K/60p 4:2:2 10 bitの HDMI 出力にも対応
- ヘッドフォンジャック搭載
- フィルムシミュレーションにモノクロ調整機能を追加。X シリーズとして初搭載の『カラークローム・エフェクト』機能
- 標準 ISO:160~12800 (拡張 ISO:80/100/125/25600/51200)
- Wi-Fi、Bluetooth 4.2 搭載
- バッテリー:NP-W126S
- USB 端子:Type-C(USB3.1 Gen1)規格を採用
- サイズ:132.5 × 92.8 × 58.8 (mm)
- 重さ:539 g(バッテリー・SDメモリーカード含む)、489 g(本体のみ)
- ボディカラー:ブラック、シルバー
- 新設計のバッテリーグリップ
- 新型のバッテリーチャージャー